アトピーの概念を変え、“みんなで治す時代”を到来させる。アトピー患者向けSNSアプリ「アトピヨ」の挑戦。

SEEDTREEが今から約2年前、2017年11月に取材を行った活動家“Ryotaro Ako”さん。彼は平日は公認会計士として働きながら空いた時間を使って「アトピヨ」というアプリの開発を行っている。2年前に取材した時はプロジェクトのビジョンは固まっているものの、アプリ開発はまだまだ進んでいない状態だったが、その後自身でプログラミングを習得し開発をスタート、1年と経たず、2018年の夏にアトピー見える化アプリ「アトピヨ」をリリースした。

あれから2年の歳月を経て、大きな躍進を遂げたRyotaro Akoさん。あれからプロジェクトはどのような成長を遂げたのか?成長後の今、どのような障壁に直面しているのか?そして、長い年月を経て、プロジェクトのビションは何か変化したのだろうか?

過去に取材した活動家に再度取材を行い、その成長を追うシリーズ「re:Interview」の第1弾だ。

アトピヨとは

「アトピヨ」はアトピー患者向けの匿名性SNSで、自分の患部や使っている薬の写真を投稿してユーザー同士での情報共有・交流ができるサービスだ。アトピー患者は日本全国に600万人いると言われている。しかし、多くの人は自分の症状を表に出したがらず、正しい治療法がわからなかったり、自分の症状を正しく理解できていないケースが非常に多い。そんな現状を打破すべく、Akoさんは治療の経過を“見える化”し、症状や悩みを共有することのできるアプリ「アトピヨ」を開発した。

プロジェクトのビジョンは“アトピーは一人で治療する時代から、みんなで治す時代へ”。本来は共有したくないアトピーの症状を匿名性SNSで投稿することで、一人ではなくみんなで治療法を考え共有し合う仕組みだ。アプリのシステムとビジョンがしっかりマッチした非常に納得感のあるプロジェクトだ。

現在iOSでアプリをリリース中。毎日多くの画像が共有され、ユーザー同士での交流も盛んに行われている。

前回の取材から今までにどのような変化があったか?

「アトピヨ」は現在AppStoreで9100ダウンロードを達成し、その後も着々とユーザー数を伸ばしている。このままのペースなら年内に1万ダウンロードを迎えそうな勢いだ。

この2年間の最も大きな変化は、実際にアプリをリリースして「アトピヨ」として一歩前進できたことだとAkoさんは語る。

自分がやろうとしていることは正しいのか?

このアプリを作ってアトピーの人たちには本当に喜んでもらえるのか?

リリース後にユーザーの反応を見るまでは、そんな不安や焦りがあったという。今ではユーザーから多くの応援コメントが寄せられ、ユーザーの期待に十分答えられるアプリに成長しているようだ。現在は機能改善を進めながら更なるユーザー獲得に向けて活動している。

2年のうちにアプリの開発とリリースを進め、9000人を超えるユーザーを獲得した「アトピヨ」の成長には目を見張るものがある。

大きな成長を遂げた今、ビジョンに何か変化はあったか?

私たちSEEDTREEが気になっていたのは、ここまで大きな躍進を遂げたプロジェクトのビジョンは2年前から何か変化しているのか?ということだった。

この疑問をそのままぶつけるとAkoさんはきっぱりと言った。

「アトピヨのビジョンは2年前から全く変わっていません。“アトピーは一人で治療する時代から、みんなで治す時代へ”。日本には600万人ものアトピー患者がいるにも関わらず多くの人たちは一人で孤独に治療を続けています。だからこそアトピヨを通してみんなで協力し会えるようにしていかなければいけないと考えています。」

「アトピヨ」としての直近の目標やユーザー獲得の方法には少し変化が生まれたようだが、Akoさん自身の根底にあるビジョンは当時から少しもブレていないようだった。

(「アトピヨ」のビジョン プロジェクトの目指す未来が明確に表現されている。)

今直面している障壁は?

今「アトピヨ」はiPhone用にiOSのみでリリースされている。今後はユーザーの声に応えてアプリ内のデザインや機能を強化していったり、Android用アプリの開発も進めていきたいのだが、Akoさん一人でプロジェクトを運営しているため、リソース不足でなかなか進んでいない現状がある。

また、やはりアトピーというものは非常にマイナスイメージの強い病気だ。そのためアトピーの人たちは自ら名乗り出ることが難しく、同時に、周りの人たちはアトピーの人に「アトピヨ」を勧めることが非常に難しい。そのため、通常のアプリとは異なる手法でユーザーを増やしていく必要がある。現在はイベントなどに登壇して認知度を高めているという。

Akoさんは「アトピヨ」を運営する上で感じている今後の課題を次のように語った。

「アトピーというのは皮膚病なので、症状が他人からでもはっきりと見えてしまう病気です。だからこそ症状の悪化によって多くの人たちが精神的な苦痛を感じています。アトピヨ内でもその苦痛をコメントでフォローし合う様子が見えますが、今後はどうやって精神的な部分のケアをしていくのかを考えていく必要があると思っています。」

(イベントに登壇するRyotaro Akoさん)

今後の展開と直近で達成したい目標は何か?

現在でもいくつかの障壁に直面している「アトピヨ」だが、今後の展開については様々な可能性が見えてきているようだ。

製薬業界では今後5年ほどでアトピー関連の新薬が多数出てくると言われている。しかしその一方で、治験者がうまく集まらず、新薬のリリースが遅れてしまうこともあるそうだ。有効な新薬が開発されても一般向けにリリースされない状況は、アトピーの人たちにとってかなりの打撃となってしまう。Akoさんは治験者の集客を「アトピヨ」内で行うことで、新薬リリースのサポートもしていきたいと考えている。

また、医療業界へのサポートも検討している。現在では、AIを使った画像診断の精度が飛躍的に向上しており、皮膚ガンの診断については皮膚科での診断と同じくらいの精度でAIの画像診断が可能になっているという。現在、「アトピヨ」内にはユーザーが投稿した9000枚の画像があり、この画像を元にAIで症状を診断できる機能の可能性も出てきている。

さらに、これまで「アトピヨ」に投稿した写真を皮膚科医に見せることで、通院していなかった間の症状の経過を正しく伝えることができ、診察の精度が向上するという考えも持っているようだ。これについては実際に医師200名余りにアンケート調査を行った結果、過半数の医師が「アトピヨ」内の写真記録が診断サポートに役立つと評価したという。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000035958.html

「アトピヨ」は製薬業界と医療機関のサポート、画像のAI診断という新たな可能性を見出しているようだ。

まとめ

アトピーというマイナスイメージの強い病気に対して、匿名性SNSという切り口で挑む本プロジェクト。2年前から変わらない強いビジョン“アトピーは一人で治療する時代から、みんなで治す時代へ”には、このプロジェクトの目指す世界の姿が明確に表現されているように思う。

プロジェクトとしてのリソース不足やアトピー患者へのアプローチ方法など、乗り越えるべき課題はまだまだある。しかし、様々なイベントやコンテストに登壇するAkoさんの積極的な姿を見ていると、近い将来その多くの課題も容易に解決してしまいそうな気がしてくる。

それほどまでにRyotaro Akoという人物は、ビジョンに真っ直ぐな熱い活動家だ。

このプロジェクトに興味を持ったり、応援したい、協力したいという読者の方がいたら、Ryotaro Akoさんのfacebookにメッセージをしてみよう。

Akoさんは現在も一人でプロジェクトを運営中。チームにジョインする形でなくとも、多くの人たちの協力が得られることを期待している。

アトピヨのダウンロードはこちらから
(現在iOSのみ対応しています)

Akoさん、第1回目の取材記事はこちらから

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