高齢者の孤独を解消したい。若き起業家の挑戦。

近年では人口の高齢化が進みそれによって多くの市や町であらゆる問題が起きている。とりわけ、高齢者の孤独死の問題は現代社会の孤立感を映し出しているように見え、心が痛む事件である。皆さんもそのような問題を見つめ何らかの解決策を考えることがあるだろう。

多く方が、この問題に対する解決策として「コミュニティ作り」を挙げるのではないだろうか。この対策は決して間違っていないし、これによって孤独死以外の問題も解決していくだろう。しかし、この「コミュニティ作り」という解答を実際に形にする事は途方もなく難しい事である。その難題に挑み続ける若い意思が、群馬県のとある田舎町にあった。


NPO法人ソンリッサを立ち上げ、現在代表理事として活動をしている萩原涼平さんにお話を伺った。萩原さんは自身の祖母が孤独を抱えている姿を見て、高校生の時にそれを解決するための活動を志した。23歳になった現在では群馬県甘楽町に移り住み、現地で高齢者の支援活動を行っている。

現在萩原さんが注力しているのは、孤独を抱える高齢者をサポートし、社会的役割を見出すサービス「EMOTOMO」の運営だ。EMOTOMOは高齢の親を持つ子供世代と孤独を抱えるお年寄りを、趣味や価値観の近い群馬県甘楽町のお年寄りとマッチングさせるサービスだ。


まず高齢の親を持つ子供世代がEMOTOMOに親の情報などを記載してサービスを開始する。記載された情報を基に趣味や価値観の合う甘楽町の高齢者を選出し、ビデオ通話を通してコミュニケーションを取ってもらう。数十分間の話し合いで得られた情報はEMOTOMOから子供世代に送られるので、高齢の親が抱えている心配や不安などを理解する事ができる。
このサービスには3つの登場人物が存在するが、それぞれがうまくメリットを享受できている点が素晴らしい。子供世代は高齢の親の現在の状態を理解する事ができ、高齢の親世代は寂しさを解消し、悩みを相談できる「友達」を得る事ができる。甘楽町の高齢者は対話を通して悩みや相談を受ける事で社会的役割を得る事ができる。この、「社会的役割」という部分に、萩原さんならではの視点と情熱を垣間見る事が出来た。甘楽町に移り住み、その土地の高齢者の姿を間近で見てきた萩原さんは語る。「人口が減って過疎化が進む中で、高齢者の方々は自分たちの社会的な役割を強く求めています。高齢者の方々に仕事場と居場所を作る事で、社会に対して接点を持つ事ができると考えています。」

萩原さんはこれまで甘楽町で高齢者向けにスマートフォン教室などを開催してきた。高齢になり体が弱ったお年寄りにとって、テクノロジーは誰かと繋がる有効な手段だと話す萩原さんに、この先の時代について意見を聞いた。
「現在の高齢者にとってテクノロジーは不慣れなものなので、離れた知り合いとコミュニケーションをとる事はかなり難しいと思います。しかし、50年先、私たちが高齢者の世代になった時、もちろん私たちはスマートフォンなどのテクノロジーを自由に扱っているでしょう。そこでは、もしすると私たちは寂しさを感じていないのかもしれません。」

確かに、これからもテクノロジーは進化を続け、人と人を繋げる事を容易にしていくだろう。それでは、そのときに萩原さんはどのような活動をしているのかと尋ねると、彼は情熱を持って次のように答えた。「孤独を抱える高齢者の問題が無くなれば、私たちの役割は完了したと言えます。それならば、私はそのとき存在している別の社会問題の解決に挑んでいるでしょう。」
50年後、そのときの自分を想像できる人はそう多くはないだろう。しかし、未来を語る若き起業家の目は、確実に数十年先の自分の姿を見据えていた。彼は「社会起業家」と呼ぶにふさわしい人物であると、その曇りの無い目を見て、筆者は確信した。

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